研究活動

社会連携講座「省エネルギー情報処理」では、システム研究者(理論およびアルゴリズムを担当)とデバイス研究者(実験および開発を担当)が協力して、新しい原理に基づく省エネルギーな計算機を開発することを目標としています。

研究テーマ

近年の脳機能測定技術や画像処理技術の発展により、生物脳におけるニューロンの結合は複雑ながらもある程度のモジュール構造を持っており、またスパースであることが分かってきました。こうした秩序と複雑さを併せ持つ実際の脳の構造をヒントに、省エネルギーで高効率な神経演算ユニットの結合を実現することを目指しています。ハードウェア実装を念頭に置きながら、脳型情報処理の性能を最大化するようなネットワーク構造や学習アルゴリズムの開発に取り組んでいます。

固体演算デバイスで構成される計算機を用いて並列分散処理による効率の良い情報処理を実装するには、3つの大きな問題を克服する必要があります。それらは、「2次元状、或いは3次元状に膨大な数の演算デバイス間結合を作製すること」、「膨大な数のfan-in/fan-outが可能な演算デバイスを作製すること」、「個々の演算デバイスが非常に低消費電力であること」、です。これらは従来のCMOS集積回路の配線・デバイス技術では克服することが困難です。一方、これまで多くのデバイス研究者たちがCMOS集積回路とは異なる方法を用いて脳型コンピュータをチップ上で実装することを試みてきましたが、上記の困難を克服して大規模な計算機を実装した例はありません。この原因の一つとして、デバイスの入出力特性の特異性や面白さのみに着目して研究を続けた結果、演算デバイスネットワークの構築までにつなげることができなかったことが考えられます。本講座では、ネットワーク・アルゴリズム研究者とデバイス研究者のコラボレーションを行なうことにより、大規模集積脳型コンピュータへの要求を満たす演算デバイス開発に取り組んでいます。

成果発表

ジャーナル論文

会議論文

招待講演,依頼講演

  • 田中 剛平
    リザバーコンピューティングの数理とデバイス実装
    応用物理学会春季学術講演会(上智大学, 2020年3月12-15日)、JST CREST「光ニューラルネットワークの時空間ダイナミクスに基づく計算基盤技術」シンポジウム、招待講演,3月12日 (2020), 予定.
  • 田中 剛平
    リザバーコンピューティングの基礎と最近の発展
    学振151委員会「先端ナノデバイス・材料テクノロジー」(理化学研究所),招待講演,1月23日 (2020),予定.
  • A. Hirose, R. Nakane, G. Tanaka
    Physical Reservoir Computing Devices: Truly Neural Hardware in the AI and Sensor-Network Era
    International Conference on Neural Information Processing (Sydney, Dec. 12-15), Invited talk (2019).
  • 廣瀬 明,武田 征士,ヘロー・ジャンベノ,沼田 英俊,金澤 直輝,山根 敏志,中野 大樹,中根 了昌,田中 剛平
    光波による物理リザバーコンピューティング
    Optics & Photonics Japan 2019 (Osaka, 2019年12月2-5日), 招待講演, 12月4日 (2019).
  • 田中 剛平
    物理リザバーコンピューティングの最新動向
    人工知能学会合同研究会 ナチュラルコンピューティング研究会(慶應大学),招待講演,11月22日 (2019).
  • A. Hirose, R. Nakane, G. Tanaka
    Physical Reservoir Computing Devices and Complex-Valued Neural Networks
    The 2019 International Meeting for Future of Electron Devices, Kansai (Kyoto, Nov. 14-15), Invited talk, Nov.14 (2019).
  • 中根 了昌
    チップ実装を指向したリザバーコンピューティング研究の現状
    CREST・さきがけ「素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成」領域主催,リザバーコンピューティングワークショップ~基礎から最前線まで~(JST東京本部),依頼講演,10月24日 (2019).
  • 田中 剛平
    リザバーコンピューティング:高速学習による時系列情報処理
    非ノイマン型情報処理へ向けたデバイス技術分科会(大手町),一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA), 招待講演, 10月16日 (2019),予定.
  • R. Nakane, G. Tanaka, A. Hirose
    Machine-learning computation utilizing spin waves,
    第43回 日本磁気学会学術講演会 (2019年9月25-27日),口頭発表,9月27日, 招待講演, 発表番号27pB-1 (2019).
  • 田中 剛平
    リザバーコンピューティングの数理とハードウェア
    大阪大学非線形数理セミナー, 招待講演, 6月26日 (2019).
  • Gouhei Tanaka
    Recent advances in physical reservoir computing
    The 3rd Neuromorphic Research Retreat in AIST (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), Oct. 31), Invited talk (2018).
  • Gouhei Tanaka
    Mathematical approach to energy efficient neural information processing
    The 2nd Neuromorphic Research Retreat in AIST (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), Feb. 17), Invited talk (2018).
  • 田中 剛平
    省エネルギー脳型情報処理への数理的アプローチ
    平成29年度 第4回ブレインウェア研究会(東北大学電気通信研究所, 2月7日), 招待講演 (2018).

著書

解説記事

受賞